ボードゲーム

オススメボードゲーム〜ワイナリーの四季(VITICULTURE) ワインを呑みながらゆっくり楽しみたいワイナリー経営シミュレーションゲーム

ボードゲーム”ワイナリーの四季(VITICULTURE)〜トスカーナ(拡張版)”のオススメ記事です。ブドウの植樹からワインの熟成・製造・出荷までの一連のプロセスをしっかり再現した、ワイナリー経営シミュレーションゲーム。ワイン好きの方はもちろん、育成・経営系のシミュレーションゲーム好きの方もじっくり楽しむことができます。

基本情報

プレイ人数:1〜6人

できるだけ大人数でのプレイがオススメですが、人数に応じた条件設定があるので5〜6人に満たない少ない人数でも楽しむことができます。
1人でもプレイできるのがこのゲームの特長です。この場合は擬人プレイヤー(オートマ)と勝利を競います。

ゲームの目的

”ワイン作りを中心としたワイナリー経営をテーマとした労働者配置型(ワーカープレイスメント)のボードゲーム”です。
ゲームのゴールは、誰よりも早く勝利ポイント(VP)を20VP獲得することです。
両親から相続された資産をもとにスタート、季節ごとに労働者を活用したりワイナリーに訪れる訪問者の協力を得ながら、ワイナリーの整備・ワインの製造出荷を行い自分のワイナリーを発展させることでVPが獲得できます。

ゲームの世界での時間軸

”ワイナリーの四季”というタイトルの通り、春・夏・秋・冬それぞれの季節で実行可能なアクションが決まっています。冬が終わると年末となりVPの確認と来年に向けた準備を行います。この1年のサイクルを5〜10年繰り返すことでゴールの20VPを獲得できます。

所要時間

人数にもよりますが、私の経験上60〜120分です。
各ターンでの選択肢が複数あるため、各プレーヤーが考える時間により所要時間が大きく変わります。時間がたっぷりあるときにワインでも呑みながらのんびり楽しむのがいいです。

運と戦略のバランスもよし

最初の相続資産・訪問者カードを始めとした各種カードをランダムに引くので運の要素も結構あります。ただアクションの選択肢が多く戦略性が高いため、プレーヤーの経験値が同じくらいだと運と戦略のバランスが良くなり、より楽しめると思います。

難易度高。ボードゲーム・シミュレーションゲーム好きの人におすすめ

対象年齢は13歳以上となっていますが、ボードゲームに馴染みのある子供でしたら小学生でも十分に楽しめます。(カドタ(息子)は10歳頃から家族と一緒に楽しんでいました。)
経営シミュレーションゲームでルールもやや複雑ですので、人によって好みが分かれると思います。1回のプレーでは詳細まで理解することが難しいので、ボードゲーム好き・ワイン好きの方が、家族・よく遊ぶ友人同士でじっくり楽しむのがよいと思います。

オススメポイント

ゲームの世界観

本ゲームの背景は、①長い間疎遠だった両親からワイナリーを相続し経営することになった、②しかしワイナリーは古びて荒れ果てており一から再興しなければならない、というものです。

親からの相続資産

ゲームの最初に両親からの相続資産を受け取ります。この資産もプレーヤーによって異なっており、最初に引いた”ママカード”と”パパカード”により決まります。ママカード/パパカードはそれぞれ18枚ずつあり、そこに書かれた相続資産を受け取ります。このカードはこのゲームのスタート時に使用するだけですが、ママとパパの名前とイラストが書かれており、ゲーム開始前からこのゲームの世界観に入ることができます。

ワイナリーの一連のプロセス

施設の建設/ブドウの樹の植樹から、ワインの出荷まで、ワイナリーの一連のプロセスをリアルに楽しむことができます。

<各プロセス>
■施設を建設する

相続したワイナリーは荒れ果てていますので、新たに施設を建設しなければなりません。ブドウの植樹・ワインの醸造などのアクションに必要な施設、っていることでボーナスが得られる施設があります。
施設一覧:ブドウ畑・貯水タンク・風車小屋・試飲室・宿泊施設・農耕馬・中規模セラー・大規模セラー

■ブドウの樹を購入する

まずはワインの原料となるブドウの樹を購入します。ソービニヨンブランやシラーなど実際のブドウ種の名前が使われておりゲームに入り込むことができます。

■ブドウの樹を植樹する

購入したブドウの樹を自分の畑に植樹します。所有する畑は3つ、畑によって植樹できる量が決まっています。

■ブドウを販売/畑を売買する

ゲーム前半は施設を整えたいのですが資金不足で苦労します。ワインに醸造前のブドウを販売する・所有する畑を売却することでお金を得ることができます。

■ブドウを収穫する

畑に植樹した樹から、毎年ブドウを収穫することができます。収穫したブドウは圧搾上に運ばれます。写真の透明のマーカーが収穫したブドウです。

■ワインを受注する

醸造したワインが全て売れるわけではありません。事前に受注した種類(赤・白・ロゼ・スパークリング)と熟成度(1〜9)のものを醸造しなければ売れません。カードの左上のマークと数字が注文のワイン、下の数字が獲得できるVPとボーナスです。

■ワインを醸造する

受注の品物に合わせてワインを醸造します。写真の透明のマーカが現在セラーにあるワインです。1年毎に熟成していきます。

■ワインを出荷する

受注したワインが完成したら出荷して、VP・ボーナスを受け取ります。VP獲得には何よりもワインを出荷することが基本です。

ワインの醸造・出荷のプロセス以外にも実行可能なアクションがあります。

  • 労働者を訓練する・・・自分の手元の労働者を増員します
  • 訪問者の力を借りる・・・自分のワイナリーに訪れる様々な訪問者の協力によりいろいろなことができます。詳細は後述。
  • ワイナリーに観光客を招く・・・観光客を招くこともお金を稼ぐための一つの手段です。

訪問者カードのリアリティ

ゲームの勝敗を大きく左右する戦略の一つが”訪問者カード”です。訪問者カードは夏季訪問者・冬季訪問者それぞれ38枚、合計76枚のカードがありますが、全てばらばらでユニークな訪問者となっています。もちろんイラストも1枚ずつ描かれています。カードには絶対的な優劣があるわけではなく、展開に応じて効果的な訪問者が変わります。76枚ものユニークな訪問者により、何度やっても飽きずに訪問者に一喜一憂しながら楽しむことができます。

温かみのあるゲームのデザイン

温かみのあるデザインがゲームの世界観をさらにグレードアップさせてくれます。

木製コマ

ゲームで使用するコマは木製です。また一つ一つのコマが詳細まで丁寧にデザインされています。例えば労働者のコマも左右対称では無いところがいいです。ゲームの最中も思わず手元に並べたくなりますし、自分のワイナリーに並べるとまた愛着が湧きます。

イラスト

ワイナリーを表現したゲームボードのイラストに温かみがあります。箱も同じテイストのイラストで描かれています。ちなみに箱のサイズは220×270×105mmです。広辞苑よりも大きいサイズで重厚感ありです。

まとめ:こんな方にオススメ

  • シミュレーションゲームが好きな方・・・ワイナリーのプロセスを疑似体験できます。
  • ワイン好きの方・・・マニアックなコンセプトがハマると思います。
  • じっくり何度も楽しみたい家族・友人・・・所要時間も比較的長く、何度もやることで楽しさがじわじわ高まってきますので、リピート必須です。